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後見業務の終了及び引継ぎ

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後見業務の終了及び引継ぎ

後見業務について、被後見人がお亡くなりになられた時の業務及び相続人への引継ぎに
ついて、説明をしていきたいと思います。

1.家庭裁判所への死亡報告
被後見人が死亡した場合には、死亡の事実を家庭裁判所へ報告しなければなりません。
死亡診断書の写し、戸籍謄本を提出することになります。
※市町村への死亡の届け出は、親族の方がされるのが通常ですが後見人がすることも
可能です。

2.終了登記の申請
後見人は、被後見人が死亡した時を知ったときは、東京法務局に終了登記を申請する必
要があります。
※選任の際は、裁判所が東京法務局へ登記を嘱託します。

3.相続人に対する管理計算報告、引継ぎ
後見人は任務が終了したときは、相続人に対して、2カ月以内にその管理の計算をしな
ければなりません。その後、相続人に対して財産を引継ぎする必要があります。
相続人が複数いる場合には、原則としていずれかの相続人に財産引き継くことで業務が
終了することになります。
ここで問題点として、相続人間で争いがある場合に相続人の一人に引き継いでしまうと
後で相続人間の紛争に巻き込まれるおそれがないとは言い切れません。
その時には、相続人全員の合意によって代表して相続財産を受領してもらう人を選んで
もらい、その代表者に対して財産を引き継ぐ方法が考えられます。
仮に相続人の合意を得ることが困難な場合においては、協力をしてくれる相続人に裁判
所に遺産分割審判の申立てと遺産分割前の保全処分による遺産管理人の選任を家庭裁判
所に申立をしてもらい、その遺産管理人に引き継ぐ方法が考えられます。
※相続人がいない場合
被後見人に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をしていた場合は、後見人とし
て家庭裁判所に対して、相続人財産管理人選任の申立てを行い、その管理人に対して、
財産を引き継ぐことになります。

死後事務手続きについて後見人が行うことができること

※法務省掲載資料参照
成年後見人が行うことができる死後事務は,以下の3つです。
(1) 個々の相続財産の保存に必要な行為
(具体例)
・ 相続財産に属する債権について時効の完成が間近に迫っている場合に行う時効の中断
・ 相続財産に属する建物に雨漏りがある場合にこれを修繕する行為
(2) 弁済期が到来した債務の弁済
(具体例)
・ 成年被後見人の医療費,入院費及び公共料金等の支払
(3) その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産全体の保存に必要な行為((1)(2)に当たる行為を除く。)
(具体例)
・ 遺体の火葬に関する契約の締結
・ 成年被後見人の居室に関する電気・ガス・水道等供給契約の解約
・ 債務を弁済するための預貯金(成年被後見人名義口座)の払戻し

次に,成年後見人が上記(1)~(3)の死後事務を行うためには,
(1)成年後見人が当該事務を行う必要があること
(2)成年被後見人の相続人が相続財産を管理することができる状態に至っていないこと
(3)成年後見人が当該事務を行うことにつき,成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかな場合でないことという各要件を満たしている必要があります。
また,上記(3)の死後事務を行う場合には,上記の要件に加えて,(4)家庭裁判所の許可も必要となります。
例えば,遺骨の引取り手がいない場合には,成年後見人において遺体の火葬とともに納骨堂等への納骨に関する契約を締結することが考えられます。納骨に関する契約も「死体の火葬又は埋葬に関する契約」に準ずるものとして,家庭裁判所がその必要性等を考慮した上で,その許否を判断することになるものと考えられます
成年後見人に葬儀を施行する権限までは与えていません。葬儀には宗派,規模等によって様々な形態があり,その施行方法や費用負担等をめぐって,事後に成年後見人と相続人の間でトラブルが生ずるおそれがあるためです。
したがって,成年後見人が後見事務の一環として成年被後見人の葬儀を執り行うことはできません。
もっとも,成年後見人が,後見事務とは別に,個人として参加者を募り,参加者から徴収した会費を使って無宗教のお別れ会を開くことは可能と考えられます。

以上、後見業務の終了及び引継ぎについて、説明をさせて頂きました。

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