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民法改正 ~登記記録の住所非公開~

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登記事項証明書の住所非公開措置

令和6年4月1日より、DV被害者等の保護のため、不動産の登記事項証明書によって公開されていた住所について、申し出ることによって公示用の代替住所を公開することが法制化されました。
※注意点としてこの住所非公開を適用できるのは、自然人(個人)に限られます。法人は✕

まず、代替措置の要件となるのは下記となります。

代替措置の要件

新不登法第119条第6項の法務省令で定める場合は、当該登記記録に記録されている者その他の者(自然人であるものに限る。)について次の①から④までに掲げる事由がある場合とすることを定める。

① ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第6条に規定するストーカー行為等に係る被害を受けた者であって更に反復して同法第2条第1項に規定するつきまとい等又は同条第3項に規定する位置情報無承諾取得等をされるおそれがあること。

② 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待(同条第1号に掲げるものを除く。以下同じ。)を受けた児童であって更なる児童虐待を受けるおそれがあること。

③ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者であって更なる暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの(以下「身体に対する暴力」という。)を除く。)を受けるおそれがあること。

④ 前記①から③までに掲げるもののほか、心身に有害な影響を及ぼす言動(身体に対する暴力に準ずるものに限る。以下同じ。)を受けた者であって、更なる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあること。



補足事項として
この公示用住所代替措置の対象となる登記は、所有権の登記名義人に限られず、登記名義人であった者、信託目録に記載されている者、閉鎖された登記記録に記載されている者も該当し、さらに、登記記録に記載されている者と同居する者も該当するとされています。
公示用の住所は、登記名義人と連絡をとることができる者の住所、営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地となります。

申出方法は、次の書類を添付して申出書を法務局(管轄外法務局へも可能)へ提出して行います。

添付書類

・印鑑証明書(3ヶ月要件なし)
  ※本人が出頭し、運転免許証等により本人であることが確認できる場合は、不要
・現在住所が登記住所と異なる場合は住民票、戸籍の附票(前提としての住所変更登記
 は必須でない)
・委任状(代理人による申出の場合)
・措置要件に該当する事実を明らかにする書面(無いもしくは十分でない場合対面調
 査)
 ※この書面がない場合、もしくは十分ではない場合は登記官による対面による調査が
 必要
 ※具体的には、陳述書及び過去の被害の事実を裏付ける公的書面または客観的書面
 (陳述書例)
 加害者から受けた被害の日時、場所、態様、更に被害を受けるおそれの内容及び理由
 を詳細に記載
  (公的書面例)
  ・市区町村によるDV等支援措置決定の通知書
  ・ストーカー行為等の規制等に関する法律に基づく警告等の実施書面
  ・配偶者暴力相談支援センター等のDV保護に関する証明書等
  (客観的書面例)
  ・医師の診断書
  ・怪我の写真(撮影時期が分かるもの)
  ・脅迫等を内容とするSNSの投稿時期が分かる画像
・公示用住所及び公示用住所提供者の氏名または名称を証する印鑑証明書、住民票等
  ※法務局を公示用住所とする場合は不要
・公示用住所提供者の承諾書
  ※法務局が提供者となる場合は、法務局指定の申出人の承諾書面
・公示用住所提供者の印鑑証明書
  ※法務局を公示用住所とする場合は不要

法務局は必要に応じ、申出人本人が申出をしているかどうか、措置要件に該当する事実の有無の調査のため、出頭を求め、質問をし、文書の提示その他必要な情報の提供を求めることができるとされています。
公示用住所の代替措置が講じられると、登記事項証明書を取得しても、本人の住所は記載されず、公示用住所が記載されることになります。
本来の住所が記載された登記事項証明書を取得するには、窓口での請求が必要となり、申出人本人が請求していることが分かる運転免許証や、印鑑証明書付委任状による代理権の確認等が必要となります。

以上が、登記記録の住所非公開についての説明となります。
令和6年4月1日より施行されておりますので、今回紹介をさせて頂きました。
今回も御覧頂きまして、誠に有難うございます。

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