お仕事

民法改正 ~相続放棄者の管理について~

kazushoshikazushoshi

民法改正 ~相続放棄者の管理について~

相続放棄をした者の管理義務等について改正が行われました。
相続放棄をした者についての管理義務については、旧法では不明確な部分があったため、
今回改正されることになりました。
改正の内容として、以下の3点がポイントとなります。

①義務の内容
相続放棄者は自己の財産と同一の注意をもって財産を保存しなければならない。
※この規定は、旧法同様と同じ義務の内容が定められました。
この義務の内容は、財産を滅失させ、又は損傷する行為をしてはならないことを意味しており、財産の現状を維持するために必要な積極的な保存行為は想定されていません。

②発生要件
旧法においては、相続財産を占有していない場合や、把握をしていない相続財産について、管理義務があるかどうかは明らかではありませんでした。
今回、改正法により、財産を現に占有している場合にのみ管理義務を負うことが規定されました。
よって、例えば第一順位の相続人Aが占有している相続財産があり、その後、相続放棄をした場合、第二順位の相続人Bは当該土地を一切管理占有に関与しないで相続放棄をした場合、このとき保存義務を負うのはAであり、Bは保存義務を負うことはありません。

③義務の終了時点
相続人又は新民法952条第1項の相続財産清算人に当該財産を引き渡したときに保存義務は免れることになります。

以上が改正内容となります。施行時期は令和5年4月1日となっております。

ABOUT ME
kazushoshikazushoshi
kazushoshikazushoshi
記事URLをコピーしました